程よい締め付けで足を細く見せる着圧ソックス。クローゼットを開けてみれば、1足ぐらいは入っているのではないでしょうか。
モデルなど有名人が紹介して、今や多くの女性が日常生活で使うようになりました。ベーシックなデザインからカラフルでオシャレなものまで、バリエーションも増えつつあります。
手軽に足を細く見せられる着圧ソックスは、ただ履けばいいというものではなく、正しい履き方をすることで効果を得られます。間違った使い方をすると効果が低減したり、体調に悪影響を及ぼす可能性もあります。
着圧ソックスを履く時のポイントや使い方をマスターしましょう。
着圧ソックスとは?
着圧ソックスは足のむくみを防ぐための靴下です。足首からふくらはぎにかけて圧力がかかるよう設計されており、履いた時のラインがすっきり見えます。
元々は深部静脈血栓の予防など、医療用として使用されていました。
現在は一般向けに広く販売されており、靴下専門店はもちろん100円均一や大型スーパーなど、様々なお店で購入することができます。
普通のソックスとの見分け方としては、圧力の表記があれば着圧ソックスです。「mmHg/hPa」などの単位が記載されています。mmHgは水銀柱ミリメートル(トル)、hPaはヘクトパスカル。どちらも圧力の大きさを表す単位です。数値が大きいほど足にかかる圧力が大きくなります。
着圧ソックスの種類
着圧ソックスには用途に合わせた圧力の設定があります。圧力が小さいものでは10hPa、大きいものでは40hPaになります。
日常的に履く着圧ソックスは、足首は20hPa・ふくらはぎは15hPa・太ももは5-10hPa程度あれば十分な効果が期待できます。
また、着圧ソックスは足首やふくらはぎなど「部分ごとにかかる圧力が異なる」タイプ、「全体的に圧力がかかる」タイプ、単純に「ラインがすっきりした」タイプがあります。
圧力の大きさや圧力がかかる部分は、シリーズやメーカーによって異なるので、しっかり説明書きを読んでから購入しましょう。
着圧ソックスの効果
着圧ソックスはむくみの予防に効果があります。
通常、体内の血液は心臓から出発し、体を1周して戻ってきます。足を通過する際には、足の筋肉が血液を送り出すポンプの役割を果たし、心臓方面へと押し上げています。けれども長い時間立っていたり、足先が冷えているとポンプの機能がうまく働かなくなり、老廃物や要らない水分が足に滞ってしまうことになります。老廃物や水分が溜まり上に押し上げられないために、むくみを引き起こすのです。
着圧ソックスを使用することで「血液の流れを促す」「老廃物を流す」「リンパの流れを良くする」効果があると言われています。その結果むくみを予防し、夕方になっても足が太くなりにくいのです。
部分によって圧力が異なる着圧ソックスは足首が一番圧力が大きく、太ももに向かって徐々に圧力が小さくなります。特に血流が滞りがちな足の末端から血液を送り出せるよう、足首が強めにできているのです。
着圧ソックスの正しい使い方
着圧ソックスは正しい使い方をすれば、むくみの予防に大いに役立ちます。しかし、間違った使い方をすると効果を得られなかったり、反対に体調が悪くなる要因にもなってしまいます。
正しい使い方を紹介します。
足首の位置を合わせる
着圧ソックスは足首部分に最も圧力がかかるようになっているものが多いです。着圧ソックスはしっかりフィットしてずれにくいため、足首の位置を最初に調整しておきましょう。
足首よりも上に圧力の大きい部分が当たってしまうと、その上下に血液が流れにくくなる恐れがあります。
ぴったりのサイズを選ぶ
前述した足首の位置にも関連するのですが、ソックスにはサイズがあります。足首の位置や足の長さ、ふくらはぎの太さなど、足のサイズに合ったものを着用しましょう。
サイズの合わない着圧ソックスを履くと効果が弱まったり、締め付けすぎてしまう場合があります。
必要な時にだけ着用する
着圧ソックスはむくみにくくなるばかりか、履いた時の「スッキリ感」が快適です。そのため長時間履き続けてしまう人がいます。就寝時など長時間使用するのはやめましょう。
長時間の着用は皮膚のかぶれ、巻き爪の悪化などを引き起こします。最悪の場合は血行障害の原因にも。特に着圧値の高いソックスを使用する際には意識しておきましょう。
体調に合わせて使用する
女性の体はデリケートです。日によって体調が違うもの。そのため着圧ソックスにも向き不向きの日があります。
着圧ソックスが適しているのは、生理前や立ち仕事をする日、たくさん歩く予定がある日などです。足を良く使う場面で使用すると効果が実感しやすくなります。
くつろいでいる時や横になっている時など、足のポンプ機能が元気な状況では無理に着用する必要はありません。あくまでも「むくみやすい」日に使用するのが正しい用途です。